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2013.08.19[月] 茶の医薬史 -中国と日本

茶の医薬史 -中国と日本


-『神農本草経』には「神農が一日で72の毒にあたるも茶で解いた」と書かれて
いると、多くの本に書かれている。 <中略> ところが、どうしても見つ
からない。探し方が足りないのではないかと繰り返し探したが、それでもない。-

こうして、岩間眞知子先生の「本草(薬)書の研究が始まった」とあった。
(茶の医薬史―中国と日本 岩間眞知子著)

岡倉天心の『茶の本』に「茶は薬として始まった "Tea began as a medicine"」
という言葉があるように、お茶は薬から始まったと言われて久しいが、お茶は
その長い歴史の中で医薬の面ではどのような存在だったのか、本書はその膨大な
書物や資料から「茶」についての説明をピックアップしてまとめた医薬史である。

最初に、随、唐、宋、金・元、明、清代と中国の歴代書物が時代別に並べてあり、
当然と言えば当然なのだけど漢字のオンパレード。
見たことのある物に初めて見る書物。
とにかく膨大な資料で、読んで頭に入れようと思っても、画数の多い漢字の羅列を
見るだけで目がかすむ…。(^^;
私の知識レベルでは、近代史の辺りまで来てようやく「あ、この人知ってる。
この話、聞いたことある!」と辿り着き、楽しくスムーズに読めるようになるまで
なかなかハードルが高い。(笑)

特に医学についてはまったくの門外漢なので、所謂「東洋医学(中国伝統医学、
本草学なども)」と言われることが書かれてあっても、イメージがピンとこない。
そう思いつつ読み進めていくうちに、個人的にとても興味深い内容があった。


「茶」という漢字は唐代に誕生したということはまず間違いがないだろうと
言われているが、それ以前は、お茶を表す時は「荼」という文字を使っていた。

2007年『中国茶アドバイザー/インストラクター』の講座の中で、この「荼」と
言う文字の日本語読みでかなりもめたことがある。
「タ」か「ト」かという、正直な話、訛って発音すればどちらとも受け止め
られるような細かいことなのだが、試験に出るかもしれないとなるとそうは
いかない、らしい。(笑)
個人的には意味が通じればどちらでも良い気がするんですけど、日本で著名な
先生方の著書でも両方の読み方があって、長年の疑問だったわけです。


そして今回、この本を読んでその答えが少し見えた気がした。

例えば
-(ここから引用)『時珍曰く、楊慎の『丹鉛録』に云う、「茶は古くは
荼の字で、音はトであった。 <中略> 漢代に始めて荼陵の荼をト音から
タ音に転じた…』(ここまで引用)-とある。
もともとニガナを意味する荼を、茶に当てていたものを、漢代にタと発音する
ようになって、茶を意味するようになったのではないか、という推測である。
確かに「ト」よりは「タ」の方が「チャ」や「ティー(テ)」に近い音に感じる。

日本編でも同様に、平安時代末の1100年頃に編纂された漢和辞典『類聚名義抄』
に、音はトとタ、またはチャとするとあると言う。

まだまだ紹介したい箇所はたくさんあるものの、あまりにも長くなってしまう
ということと、専門的な話になってしまうので、ご興味のある方はぜひご自身
でお読みになって下さい。

本草に関する中国と日本の膨大な古い資料の中から、特に「茶(荼)」に関する
箇所を拾い出しそれを要約されるという、費やした時間とその労力を考えると
気が遠くなるような気がします。


最後に岩間先生の言葉から。

-「研究は古びる、誰かが追いついて凌いでしまうから」ある先輩に言われた。
<中略> しかし今回、陶弘景の言葉に出会って、真実に裏打ちされた学問と
いうものは1500年を経ても古びず、ゆるぐものではないことを教えられた。
学問とは何かを論じることなど私にはできないが、信頼のできる資料を裏付け
として、真実に迫りたいと思った。-

たくさんのことを学ばせていただき、感謝です。
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Comment
2013.08.20 Tue 12:31  AzTak #xZCYq0Xc
さすが専門家ですね。実にいろいろと資料を漁っておられるものです。
私には高級な睡眠薬にしかならないかもしれませんが。(^_^;)

しかしこの本の著者は、研究者の鑑のような方ですねえ。何をするにせよ、このくらいの熱意を持って当たらなければいけませんよね。

  [URL] [Edit]
2013.08.20 Tue 22:57  サンタ #54eKsoAw
>AzTakさん
ここだけの話、最初に漢字の羅列の文章を見た時には、わずか3ページで超高級
睡眠薬となりました。(笑)
睡眠薬にするには高すぎるので何とか財産にしなければ、と。

研究のきっかけとなった疑問の答えもちゃんと結論を出されていらっしゃいました。
研究者としての先生の謙虚なお姿には感動すら覚えます。
Re: タイトルなし  [URL] [Edit]







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