SCENERY

その壁がなくなれば、世界がもっと広がります 

2008.04.23[水] セミナーの後で

3月の特別セミナーでのこと。
いつもは、講座終了後すぐにお店に戻るのだが、定休日だったこともあり、せっかくなので参加者の皆さんとランチをご一緒させて頂いた。
同じテーブルの方々は、大先輩のご婦人方。
「おひとりさまの老後」などという本が出版されているが、まさにこのセミナーも「お一人様参加」がベースとなっていた。

それにしても、
皆さん、本当にお元気だ。
中には、戦中、戦後と苦しい時代を乗り越えていらっしゃった方もいた。
人生経験が豊かなだけに、お互い見知らぬ人同士でもまったく躊躇うことなく、次から次へとおしゃべりが続く。
旅行のこと、食べ物のこと、健康のこと、今日の食事のこと、そして中国茶のこと‥。
自分たちの世代観だけでは知り得ない、興味深いお話もたくさんお聞きすることができた。

話が一区切りしたところで、思い切って皆さんに聞いてみた。

「戦中・戦後と比べると、今の日本は格段によくなっています。全自動洗濯機もあるし、冷蔵庫も自家用車もほとんどの家庭にあります。こうして、綺麗な服装で美味しい物を食べて、それこそ皆さんも、世界中を旅していらっしゃる。それでもやっぱり『昔はよかった』と思われるのでしょうか」。

「確かに」。
とある女性が答えてくれた。
「生活は便利になったし、日本は豊かになった。でも、私たちくらいの年齢になってくると誰でも『昔はよかった』と言うものなんです。昔には、若かった自分がいますから」。
それに続けて、別の人が答えた。
「経済的にはよくなったけど、その分、人と人との心のつながりもなくなってしまった。昔は、よその子が悪さをしていても、他の大人が注意したものだけど、今時は、そんなことしたら、親に『うちの子によけいなこと言うな』と反対に怒られる。電車に乗っても、席を譲ってくれる若い人がずいぶん減ったし。」

「最近のご年輩の方は、とてもお若く見えるし、下手な若者よりもお元気でいらっしゃる。だから、席を譲ると、返って失礼にあたるかな?と思う若者もいるんじゃないでしょうか?どうなんでしょうね。」と聞いてみた。

彼女たちの答えはこうだった。
「もし仮に、電車で席を譲られても『ありがとう』と言ってありがたく席を譲ってもらいますよ。若作りをしていても、私たちは、自分がお婆さんだということをちゃんと自覚していますから」。

その後、話題は戦後の代用食だったサツマイモとカボチャの話へと移り、「美味しいとは思うけど、あまり食べたいとは思わない」というのが共通意見だった。
「戦後の苦しかった思い出が蘇ってくるから、あまり食べたくないのだ」と言う。

戦中・戦後を経験した彼女たちは、戦争によって失った時間を取り戻すべく、精力的に人生を楽しんでおられるように見えた。
例え「おひとりさま」であっても、「サツマイモとカボチャ」の後遺症があっても、様々な苦境を乗り越えてきた「経験」がそこにある。

たった一日、ほんの短い時間ではあったが、ご一緒させて頂いて本当によかった。

4月に入り、新年度が始まった。
戦後の日本の復興を支えてきた彼らに対して、今の日本はひどい仕打ちをしようとしている。
いろいろな逆境はあるが、あの時の彼女たちを思い出すと、お年寄りだけど、そんなに弱い人たちじゃないかもしれないと、ふと思った。
せめて、彼らを再び絶望の淵に立たせるようなことはしないで欲しいと、願うばかりである。
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