SCENERY

その壁がなくなれば、世界がもっと広がります 

2012.07.16[月] 茶室学

カウンター越しに、お客様の読んでいる本の表紙の文字。
「茶…xxx」?。
「茶」の続きは何だろう?新しいお茶本か!?

電車で隣に座っている人が読んでいる本を遠巻きに見つめる
おじさんのように(失礼)、何を読んでいるのかな~。(笑)
おじさんはシャイですが、おばさんは聞かずにはいられません。

「面白そうな本ですね~。お茶関係の本ですか?」と
一応、遠巻きにしながら遠慮がちに聞いてみます。


茶室学


で、見せて下さったのがこれ。
『藤森照信の茶室学―日本の極小空間の謎 藤森照信著』 


Ethnic(民族) にlogy をつけて Ethnology(民族学)
Society(社会) に logy をつけて Sociology(社会学)

茶室 + logyは何だろう?
思わずそんなことを考えてしまいました。

興味津々で見ていたら、
「ちょうど今読み終わったので、お貸ししますよ」と。
内心、やたっ!(笑)

お話によると「理数系脳の人のお茶に対する考え方というか発想が
おもしろいですよ~」とのこと。
お茶と茶室学の関係。いったい、どんなことなのだろう…。
藤森照信氏は、もともと近代建築、都市計画史が専門です。
氏が茶室に関わるようになったのは「知人の京都徳正寺の住職夫妻から
坪庭に茶室を作って欲しいと依頼された」という、ご本人曰く「極めて
消極的なきっかけ」だそうです。
工事の途中、住職のお茶の師匠、小川後楽家元(煎茶小川流)がたまたま
寺に立ち寄られ、茶室の間違いを指摘され、慌てて書店に駆け込み…。

後楽先生の切なさそうなお顔と、それでいて、絶対に譲れないという毅然とした
強い眼差しが脳裏に浮かびました。(笑)


お茶を始める、もしくは填るきっかけの間口は本当に広い。
というか、逆に言うと、お茶に関わり始めると、本当にいろいろな事と
関係が深く、調べても調べてもきりがありません。

お客様や知人・友人の中にも、食文化、民族学がもともとは専門だったり
焼き物(陶磁器)、書画、テーブルコーディネイト、料理、健康、中国史や
日本史に興味のある方だったり…と、様々な分野からのスタートの方が
大勢います。

そこに新たに「建築」が加わりました。(笑)


日本の寝殿造は、中国の四合院に想を得たことにあるそうです。
中国から伝わったお茶が日本で広まった時代と前後して、住居は寝殿造
から書院造へと変化を遂げていきます。

中国のように、書斎で飲むようになったお茶だと文房四宝などがすでに
定位置をしてめていて、お茶はその隙間に入り込むしかなかっただろう
と言います。

日本は闘茶の出現により、書院造のガラン堂の中に、いかに魅力的な
空間を演出するか、またお茶を入れたり運んだりする使用人の振るまい
などにも気を配る必要が出てきたらしいのです。
空間を演出するためと賭事に使うための美術品が並べられ、そのため
美術品を鑑定できる目利きも現れたそうです。
またそのような流れから、日本独特の「茶室」という文化が生まれたと。

確かに、お茶を飲むためだけの室内空間の発展は、日本以外にはない
のではないかと思います。
また、建築でみる極小(二畳台目)空間の中にダ・ヴィンチの『ウィトル
ウィウス的人体図』を重ねるなど、サイズは小さくても中身は壮大です。

岡倉天心や茶経に始まり、白鳥庭園・清羽亭の中村昌生先生や豊田市
美術館
の谷口吉生先生など、馴染みのある先生のお名前や、まったく
初めて聞く建築用語など固有名詞も随所に出てきて、復習に、新しい言葉の
開拓にと楽しみ(?)も満載で、二度読んでも美味しい本。^^

お茶の森はどこまで深く続くのやら。
先が思いやられるようでもあり、森の先にあるものが楽しみでもあり。

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