SCENERY

その壁がなくなれば、世界がもっと広がります 

2011.12.06[火] 萬の花、千の紅葉

今回のお茶会のテーマは『萬花千葉』。
文字通り、萬の花の艶やかさと千の紅葉の彩りを詠ったもの。

今までのお茶会のテーマが中国の漢詩に依る物ばかりだったので
毎回同じでは芸がないので、ちょっと変えた方が良いのではないかと
ジイヤ様からのお達し。

ならば、唐の時代と同じ頃の日本を、お茶会のテーマにしてみましょ
と選んだのが、額田王の『春秋競憐歌』。

この歌は、飛鳥時代、天智天皇(中大兄皇子)が藤原鎌足(中臣鎌子)に
命令して春山の花咲き誇る艶と秋山の彩の美とを競う歌会を開かせた時に
詠われたもの。
当時、上流貴族階級では、唐から伝来された文化の方がより優れていると
されていて、歌も漢詩で詠うようにと指示されていたとか。
中国の文化が日本に大きな影響を与えていたことが伺えます。

漢字ばかりが並ぶこの歌も、一見漢詩のようにも見えますが、ちゃんと大和
言葉で詠われているのです。

歌会では春秋どちらが優れているか判別のつかない中、最後には額田王に
決めてもらおうということになります。
多くの人が見守る中、彼女の出した答えは…。

 春秋競憐歌 「春秋判別歌」
           <飛鳥 額田王>

  冬木成 春去来者
  不喧有之 鳥毛来鳴奴
  不開有之 花毛佐家礼杼
  山乎茂 入而毛不取
  草深 執手母不見

  秋山乃 木葉乎見而者
  黄葉乎婆 取而曽思努布
  青乎者 置而曽歎久

  曽許之恨之
  秋山吾者



           冬こもり 春さり来れば
           鳴かざりし 鳥も来鳴きぬ
           咲かざりし 花も咲けれど
           山を茂(も)み 入りても取らず
           草深み 取りても見ず

           秋山の 木の葉を見ては
           黄葉(もみじ)をば 取りてぞ偲ふ
           青きをば 置きてぞ嘆く

           そこし恨めし
           秋山そ吾(われ)は



 冬が終わり 春が来ると
 今まで鳴かないでいた鳥も来て鳴きます
 咲かないでいた 花も咲き競いますが
 山が茂っているので 誰も中に入って花を取ろうとはしません
 草が深いので 手に取って見ようともしません

 秋の山の 色づいた木の葉を見ると
 思わず手に取り うっとりと眺めたりしますが
 春の青い葉は 手に取るわけにもいかなくて
 それが残念です

 私は秋山です。



額田王は、秋山を好きとは言っていない。
齢を重ねた自分自身のことを「秋山」と言っているのか、それとも
中大兄皇子(後の天智天皇)と大海人皇子(後の天武天皇)という
二人の男性から愛された額田王の心情を述べているものなのか。

今なお、研究者たちの間でいろいろな意見の出ている詩ではありますが
それは読んだ人それぞれの感じ方で解釈して頂ければ。


お茶会の様子は、今回も心優しいカメラマンさんたちからお借りできる
画像が全て手元に到着次第、ブログの中で紹介させていただきますね。

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