SCENERY

その壁がなくなれば、世界がもっと広がります 

2008.03.06[木] 鄭成功と近松門左衛門

身内びいきと言われるかもしれないが、うちのボスの講座はとても
面白い。
仕事柄、同じ話を何度となく聞くことがあるが、何回聞いても面白い
話がある。
私が特に気に入っている話の一つは『福建省のお茶』の講座の時
に必ず登場する、中国・台湾の民族的英雄、鄭成功(ていせいこう)
についてだ。

鄭成功は、中国人の父親と日本人の母親の間に生まれた明の
時代の軍人・政治家である。
彼は、時の皇帝より国姓である『朱』を名乗る事を許されるが、あまり
にも恐れ多いということで国姓の『朱』は使わず『鄭成功』と名乗る。
それ以後、彼は『国姓爺』と呼ばれるようになった。

授業は、この後、近松門左衛門へと進む。
近松門左衛門の人形浄瑠璃『国性爺合戦(こくせんやかっせん)』は、
鄭成功をモデルにしたもの。
非常に人気が高く、歌舞伎でも上演されている。

ところで、私個人としては、日本伝統芸能というものとは、ほとんど
縁のない生活を送ってきた。
しかし、ボスの講座を聞いていると、人形浄瑠璃を一度真剣に見て
みたいと思えて来るのだ。

そんな矢先、NHKで「文楽 吉田玉男一周忌追善狂言『曽根崎
心中』」が放送された。
『曽根崎心中』と言えば、江戸時代、実際にあった有名な事件を
もとに作られた物語であるが、江戸時代に心中ブームを巻き起こし
たほどの有名な演目。
これを見逃す手はないと、録画。
4日の深夜、ようやくじっくりと観ることができた。

実際、観てみると以外にも面白い。(少しは大人になった証拠か)
舞台はすべて男性で、女形ももちろん男性が操る。
頭・手・足の3つの部分に分かれ、3人がそれぞれを担当する。
頭以外の人形遣いは、全員黒子だ。
一つの人形に3人。そのうち2人は黒子。
すべての動作はこの3人が一緒に操る。

三味線、義太夫も当然男性で、女主人公のお初の口説きの部分で
さえも渋いおじさま声なのは、ちょっと渋すぎる感じがするが、それは
それで、これも日本の伝統芸能なのかなと。

一番引きつけられるのは、人形遣いがひとたび操り始めれば、人形
に魂が宿る、というところだろうか。
手の動きや表情から、何とはなしにその心が伝わってくるような気が
するのだ。

悔しいのは、人間の女性よりも人形のお初の方が、はるかに可愛げ
があって、しかも女性らしい妖艶な魅力があるのだ。
完全に負けてるなと、敗北を認めざるを得ない日本女性の理想像が
そこにある。

歌舞伎でもそうだと思うのだが、多分、男性が演じる女性というのは、
男性の目から見た「理想の女性」というものを作り上げているのでは
ないだろうか。
首の傾け方、手の動かし方などとても女性には真似できません。(笑)

奇しくも4日に文楽がパリのルーヴルで上演されたというニュースを
見た。
しかも演目は、『曽根崎心中』。

フランス人から見た感想もぜひ聞いてみたいものだ。
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