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2008.08.21[木] 2年前の王子

例えば2年前、25歳だった人は27歳になる。
当たり前と言えば当たり前のことなのだが、2年分歳をとる。

はるか昔、中国から伝わった「十干十二支」の組み合わせが60通りあることから、60年でちょうど一周りするとされ、60歳を「還暦」と言う。
つまり生まれた時と同じ、0に戻るのだそうだ。
だからというわけではないのだろうが「これからの人生どうしようかな?」と心が揺らぐお年頃(例えば30歳とか60歳とか)というのがあるのかもしれない。

それでも私たち大人の場合は、昨日までの自分の続きが今日の自分で、今日の自分の続きが明日なのだ。
わかりにくい表現になってしまうが、長い間「大人」をやっていると、結局のところ20歳の私も40歳の私も、そして多分60歳の私も、漠然とではあるけれど、私は私で何も変わらないような気がする。
大人の場合、2年という歳月では、多分、ほとんど変わらない。

でも、子どもの場合は…。

今にも雨が降り出しそうな火曜日の午後、心の中まで温かくなるような出来事があった。
チリンというドアベルの音とともに入ってきたのは「王子系」の男の子。
彼は黙ってトコトコと店の奥に進み、迷いもなくカウンターの一番奥の席に座った。
一瞬、ご家族もご一緒なのかな?と思ったのだが、どなたもいらっしゃらない。
内心『おおっ!』と思いつつもメニューを差し出しながら「お一人様ですか?」と聞いてみた。
彼は、嬉しそうな顔をしながら「ハイッ」。
手には1000円札を握りしめていた。

私の頭の中にインテルでも入っていれば、もう少し処理能力もアップしそうなのだが、差し詰めN社の98シリーズ、HDD720MB時代の処理能力しかないため、昔の記憶を思い出すのに時間がかかるかかる(笑)。
「どこかで見たことあるんだけどなぁ…」と思いつつ、メニューの説明を始めたら「ボク、前はこのお茶(黄金桂)を飲んだんですけど、黄金桂に似たお茶って他にありますか?」
そう言っている間に、心配顔のお母様がやって来た。
お母様の話によると、今日は妹の病院の日なので診察が終わるまでの間、彼だけロ・ヴーで待っていたいということなのだそうだ。

満杯になったポイントカードとお母様の話を聞いているうちに彼のことを思い出した。
彼は以前、お母様と妹さんと一緒に、やはり病院の診察までの待ち時間を利用して、ロ・ヴーにやって来たのだ。
その時、中国茶をとても気に入って、道具を買おうかどうしようかずっと迷っていたのだ。
母親に「病院が終わるまで時間があるから、ゆっくり考えて、それでも欲しかったらまた帰りに寄れば良いから」と促されて、しぶしぶ病院へと向かったのだ。

果たして彼は1時間30分ほど後、再び戻ってきた。
「小学生のお小遣いで買える物を」ということで、その日、茶器一式を購入された。

あれから2年。
大人であれば、大きくなるといったら横方向くらいしかないが、子ども場合は、縦方向にも大きくなる。
相変わらず王子顔の彼は2年分縦方向に伸びて、まだまだ小学生のようなあどけなさが残ってはいるものの、今年、中学1年生になったそうだ。

親子ほど年の離れたかわいい王子様と、カウンター越しにいろいろなお話をした。
安渓鉄観音の香りにしみじみ酔いしれている彼は、お茶の淹れ方も堂に入っていた。
「自宅でもよくお茶を淹れているんですか?」と訪ねたら「伯(叔)父や伯(叔)母が来た時に淹れてあげるんだけど、あまり鼻が良くないかもしれないと思う」のだそうで(笑)、親戚の大人たちは彼が感じるほどには香りに敏感ではないらしい。

約1時間30分の間にお話したことと言えば…
彼は運動が苦手なので、マラソンなどはいつもビリになっちゃう、とか
美術部に所属しているが、作品を仕上げるのに時間がかかるので『短気な人には向かない』と彼は思う(そりゃ私のことかい?とはさすがに聞けなかった…(苦笑))、とか
夏休みには家族で長野県の赤岳に登った、とか
本が好きで、冒険物を良く読む、とか。

母親が病院にかかる時間は1時間くらいだと言っていたにも関わらず、1時間半が過ぎようとしていた。
さすがにちょっと落ち着かなくなってきたようで「これ(夏休みの宿題)やっても良いですか?」
「もちろん!」
と宿題を広げたところに、お母様が迎えにいらした。

王子が会計を済ませると、お母様と王子の会話が聞こえてきた。
「(黒みつ)ゼリーも食べたの?」
「うん!」

名古屋郊外に住む彼が覚王山にやって来れるのは「妹さんの病院の日」だけだそうだ。
今はまだ母親と一緒にしか来られないけれど、2年後には一人で来ることができるかな?
それとも4年後?
あどけない笑顔の王子が、どんな風に大人へと成長していくのか楽しみである反面、彼がもう少し大人になっても、今と変わらないでずっと中国茶が好きでいて欲しいなと思った。
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