SCENERY

その壁がなくなれば、世界がもっと広がります 

2013.07.31[水] ばんばら茶

お白石持


20年に一度、伊勢神宮の式年遷宮の行事の一つ『お白石持』
7月26日にスタートして、いよいよ遷宮が近づいてきたという実感が湧きます。

伊勢に住むHさんから「よろしければ参加できるよう段取りしますよ」と
お声がけをしていただいたのが昨年の夏。
8月は、世間ではお盆休みや夏季休暇などがあって講座のスケジュールが
変則的になりやすい月。1年先のことが決められなくて、今回は泣く泣く諦め
たのだけど、今になって「やっぱり参加することにすればよかった~」と小さな
後悔が心の片隅にチラリ。
そんなことを今更言っても仕方がないので、気持ちだけでも参加した気分を
味わいましょうと、パンフレットを眺めてみる。(笑)



ばんばら茶

そう言えば、伊勢のお土産に頂いたお茶がありました。
その名も『ばんばら茶』。
えらい威勢の良い名前だな~と、裏面をじっくり読んでみたら「産地:愛媛県」。

あれれ、伊勢茶じゃなかったんだ。
「自生の山茶」とあるので松下智先生の研究していらっしゃる「ヤマチャ」
と同じお茶なんだろうなぁ…などと思いつつ、過去にも飲んだことのある
「山茶」の味を思い出してみました。


日本茶には詳しくないので、私の理解が正しいのかどうか定かではありま
せんが「山茶」は文字通り「山の中に自生しているお茶」。
とはいうものの、勝手に茶の木が生えてくるわけがないので、やはりもともと
栽培種だったものが長い年月を経て、野生種のように変化をしていったのでは
ないかと思ったりします。

私たちが想像する茶畑のような様相で生育しているのではないと思うので、
過去に飲ませていただいた山茶から作られたお茶も、どちらかというと力強い
というか、えぐみが少々強く、野趣にとんだ味わいだったと記憶しています。


『ばんばら茶』がどんなお茶だったかというと、焙じた香りと芳ばしい味わいで、
ヤマチャならではの力強さは、焙じた香りの下で密かに出番を待っている、
という印象でした。

ヤマチャは、三重県でもお茶に加工していると思うのですが、伊勢茶と
宇治茶の原料茶としてのお茶の品種のことはよく解りません。
日本茶の区別はやはり造詣が深くないと難しいです。

『ばんばら茶』を頂きながら「次回の式年遍宮は絶対に参加するぞ~!」と
強く思ったのでした。
それまで元気に長生きしなくちゃ~。

2013.07.28[日] 月は赤いのか

今夜の月


今日は何年かぶりに来店して下さったお客様が二組ありました。
お久しぶりにお会いしたものの、全然お変わりなく、時計を3年分くらい
逆回ししたような気持ちになりました。

それにしても、人を構成している素材のようなものは、変わることがない
んだなぁ…と改めて思った次第。
特に大人になってからは、構成素材が大きく変化するということは、きっと
その人を取り巻く環境がよほど大きく変わった時くらいなのかもしれません。
懐かしさも倍増です。


今夜の月は赤いなぁ。
そんな風に思いながら、しまい込んである三脚をヨッコラセと箱から出して
ベランダで撮ってみました
そもそも三脚を箱に入れてあるから出すのが面倒くさいのかも…。(^^;

撮った写真を見て、いやこれは赤じゃなくて薄いオレンジ色だなぁ、なんて。
でも「赤い月」という表現を目にしたことはあるものの「オレンジの月」と
いう表現は今のところ、聞いたことがない…と思う。


月の色や形は毎日変わるけど、輝いている部分は太陽の光、黒くて暗い部分は
地球の影、だよね。
ということは、月を見ながら、同時に太陽と地球も一緒に見ている?
そんな気分になる。
月日が流れても、見えている月を構成している素材は変わらないなぁ…
などと勝手に思ってみたり。

月を見ているうちに梅酒の色に似ているな~と思って、思わず梅酒の水割り
を飲みながら、本日の反省会。(笑)

月を撮ろうと思うと望遠レンズが欲しくなり、茶葉を撮ろうと思うとマクロ
レンズが欲しくなる。
欲望という名の煩悩は、なかなか消えることがありません。(笑)

2013.07.22[月] フォトジェニックじゃないけど

ホワイトミント


雑誌なんかでお料理の写真などを見ると「美味しそ~」って思うけど
お茶って、色彩が地味なせいでしょうか、なかなか美味しそうに見えない
気がします。

写真のお茶は白茶ベースのブレンドティー。
茶葉の状態を見せようとしてアップで写してみても、なんとなく平坦になるし
ピントもシャキッと上手く合わないし、色を添えるために茶器や小物を一緒に
撮ってみると、茶葉よりも道具類に目がいってしまう。


写真はとりあえず毎日のように何かしら撮るようにしているものの…。
うーん、うーん。
どうも気持ちがスッキリとせず、正直、スランプです。


世の中には、被写体の特徴を本当にうまく捉えて、味わい深い写真を
撮られている方がとても多くて、尊敬してしまいます。
使っているカメラもセンスの良さも違うので、差があって当然と言えば
当然なのですが、それにしても違いすぎる~。

もともと写真っていいな、と思ったきっかけが、お茶会で撮って頂いた
茶道具や設え写真があまりにも美しくて素敵だったこと。
私もこんな風に格好良く、写真が撮れるようになりたい!と。

「フォトジェニックじゃない」と不満を言う前に、もう少し被写体(お茶)
に対して真摯に向き合ってみるべきかな。

そんなわけで、しばらくお茶の話題が続きます。

ブロ友の皆さま、怪しい足跡があった場合、それは「荒らし」ではなく
「サンタが写真の勉強中」で頑張っているんだと、大目に見てやって下さい。(笑)

2013.07.18[木] よい?よいよい?

神農


「私ね、この間、よいよい山に行って来たんですよ」
「よいよい?」
「よい山」
「……? あ~宵山!祇園祭ですね」

この時期「よいよい」と聞いて、すぐにピンと来ればいいのですが、前後の脈絡なく、
いきなり「よいよいやま」と聞いて、思わず「どこの山?」とボケたことを一瞬
考えてしまいました。(笑)
この女性が旅行や山へハイキングなどへ時々行かれることを知っていたので
「よいよい山ってどこにあるんだろ~?」と完全にピンボケです。(笑)


さて、祇園祭と聞いて思いつくのは八坂神社。
数年前、煎茶小川流の御家元、小川後楽先生から面白いお話を伺いました。
八坂神社の主祭神は素戔嗚尊。しかしそれはまだ最近のことで、明治時代
「神仏判然冷」以前は、牛頭天王でした。


お茶と薬に関わる人が牛頭と聞いて真っ先に思い出すのは、中国の神話に
出てくる「三皇五帝」の一人、神農。

「葵祭は公家の祭り、祇園祭は庶民の祭り」と先生がおっしゃるように
もともと祇園祭は、庶民の間に流行した疫病の際の御霊会が起源という
ことです。

神農は「日々72の毒に当たり茶で解毒した」と言われているように医薬と
農業の神様。
牛頭天王も神農に何か関係があるのではないか…というようなお話でした。


私たちにとって、祇園祭のメインは、宵山、山鉾巡行になってしまうの
ですが、先生方にとっては、7月に入るとすぐに献茶式のための準備で
忙しくなるそうです。
一般にはあまり知られていないと思いますが、山鉾巡行の前に表千家・
裏千家が隔年で担当をされる茶の湯の献茶式があり、その後、煎茶道の
六流派が輪番で献茶式を執り行うのです。
7月いっぱい、お祭は続くのですね。

京都には何度も行っているので1枚くらい八坂神社の写真があるのでは
ないかと思っていたのですが、以外にも見つからず。
手元にあった友人知人からもらった資料の中に神農のイラストがあったので、
それを写真に撮ってみました。

頭に角が生えているので牛頭なのですが、そう言えばお嫁さんも「角隠し」
をするのではありません?
ということは…。(笑)
いえいえ、女性はみんな優しいので怖い角なんか生えませんよ。

祇園祭に行ってみたいけど、きっとすごい人なんだろうなぁ…。
とりあえずは来週、小川先生にお会いした時に、祇園祭の話をお聞きして
妄想祇園祭を楽しむことにしておきます。(笑)

2013.07.12[金] 蜜桃香

鳳凰単欉:蜜桃香


「蜜桃(みつもも)」なんて、とても美味しそうな名前のお茶。
広東省が産地の「鳳凰単欉」という種類の青茶(烏龍茶の仲間)です。

時々、お茶とワインって本当に似ているなと思うことがあります。
福建省の青茶「岩茶」やこの鳳凰単欉を見ていると、特にそう感じます。

お茶もワインも、土壌や気候、畑の規模や傾斜、木の品種など様々な要因に
よって、香りや味わいだけでなく、色や口に含んだ時の印象が異なります。
ワインには、このような条件のことを「テロワール」や「ミクロクリマ」といった
カッコイイ表現があるようなのですが(ワインには詳しくないので違うかも
しれません)、中国茶のようなお茶には…どうなのでしょう。
私はそういうカッコイイ表現方法を知りません。(^^;

前置きが長くなりましたが、鳳凰単欉には、以前ここでも紹介した「杏仁香」
の他にも「桂花香」「蜜蘭香」「群體香」「夜来香」「黄枝香」「芝蘭香」など
香りの名前のついたものがたくさんあります。
同じように、岩茶にも香りの名前のついた種類のお茶がたくさんあって、
想像するだけでも楽しくなります。
産地が同じでも畑や作り手によって味も香りも違うのです。

お茶とワインで一番大きく違うと私が思う事は、ワインのボトルに張られている
エチケットと呼ばれる綺麗なラベル。お茶にはついていない!(笑)

そしてもう一つ。
ワインはボトルに詰められた時点で、人の口に入るまでの工程が概ね完成
だと思うので、グラスの形や温度によって若干の違いはあるものの、誰が
入れてもほぼ同じように美味しく楽しめます。

翻ってお茶は、確かに茶葉は完成品なのだけど、飲むまでにさらにお茶を
淹れるという工程が必要になってきます。
淹れ手によってお茶の濃さなどにバラツキが出てきて、時々残念なことが
起きてしまうことも…。

蜜桃香という名前の鳳凰単欉。
7月、と8月限定のお茶としてお飲みいただけます。
どんな香りと味わいなのか、想像してみて下さいね。

2013.07.06[土] 幸兵衛窯

幸兵衛窯01


いつものことではありますが「今日しかないっ!」と言うことで岐阜県の
『幸兵衛窯』を訪問してきました。
もともと午前中は仕事だったので、お昼過ぎに講座が終わったあと、大急ぎで
片付けてダッシュでひとっ走り。

人間国宝だった故加藤卓男さんのラスター彩やペルシア色絵などの作品が
見てみたいというのと、もう一つ別件があったのですが、こちらは時間切れ。(笑)

名古屋の周りには、愛知県の瀬戸や常滑、三重県には萬古(土地の名前では
ありませんが)に伊賀、岐阜県にも美濃焼などたくさんの焼き物の産地がある
にも関わらず、日常の雑務に追われなかなか足を伸ばす機会がありません。

焼き物の歴史背景や土、焼成温度の違いなどには詳しくないけれど、楽しみながら
何か自分の中に引き出しが一つ増やせればいいな、と。




幸兵衛窯05

幸兵衛窯の敷地内には、本館に卓男さんの作品のギャラリーがあり、工芸館の方
には五代、七代、加藤幸兵衛と次代の亮太郎さんの作品が展示されていました。

また、古陶磁資料館は、卓男さんが長年研究をされていた、ペルシア、日本、中国、
朝鮮の焼き物なども展示されています。



幸兵衛窯02

階段も自由に上れますが、手すりはないし、幅も狭いので、大柄な方は細心の
注意を払っていただく必要があるかも…。


幸兵衛窯04



幸兵衛窯03

建物自体もとても雰囲気があり、建築に興味のある方は、建物を見るだけでも楽しめる
かもしれません。

それぞれの土地で発展していった焼き物にも、実はいろいろな歴史背景があるのだと
少しだけ学習しました。

「何故ここにこの焼き物があるのか?」
こんな素朴な疑問の答えを見つけるには、もっと日本の歴史を知らなければ
いけません。

こんなことなら若い頃、もっと真面目に勉強しておけばよかった~。(笑)

2013.07.01[月] 幸せの時間

パティスリー グラム タルトレット


「すみません。茶器が欲しいんですけど」
若いカップルのお客様の、男性が言いました。
彼の欲しい物は大体決まっていたようなのですが、茶壺(急須のこと)でほんの
少しの迷いがあったようなのです。

お客様のご希望やお話を伺ってから、アドバイス、というか私の考えをお伝えして
彼の欲しい物が無事決定。
他にも何点かの茶器をお預かりして、商品を包みかけた時、彼女が一言。

「プレゼント用に包んでもらえますか?」

通常、誰かへのプレゼントの時は、一緒にいらした皆さんで相談しながら決める
事が多いので、私はすっかり彼の自分用の買い物だと思い込んでいたのです。

「どなたかへのプレゼントですか?」と確認をしたら、彼女が両手の平で彼を指し
「彼に」と。

つまり、彼女から彼へのプレゼントだったんですね。
プレゼント(お誕生日かな?)に中国茶器を彼女にお願いする男の子って
個人的にはちょっと感動です。

綺麗にラッピングされた茶器を彼女から受け取った時の彼の顔、本当に嬉しそう
でした。そして、その様子を見ていた彼女もとっても幸せそうでした。
そして、そんな若い二人を見ていると、こちらまで幸せな気持ちになります。

怒りも、悲しみも、喜びも、幸せも、なぜか心は連鎖します。
幸せのオーラは周りも人たちも幸せの空気で包んでくれます。
時間はいつも一方通行なので、できるだけたくさんの笑顔と毎日一緒に
いられる方が、きっと楽しい。

幸せな気持ちのまま帰宅すると、パティスリー グラムさんのオレンジ?の
タルトレットが微笑んで待っていてくれました。
夜遅い時間だったけど、幸せな気持ちでいただくお菓子は、不思議と身につかず
心だけを満たしてくれます。

ウソだと思っているあなた、これ、本当の話なんですよ。(笑)
プロフィール

ロ・ヴー

Author:ロ・ヴー
<ロ・ヴーの風景>
中国茶や日々の出来事、旅の思い出などを綴っています

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