SCENERY

その壁がなくなれば、世界がもっと広がります 

2013.09.11[水] 牛頭山雲緑

午頭山霧緑


 上牛頭寺
  青山意不尽
  袞袞上牛頭
  無復能拘礙
  真成浪出遊
  花濃春寺静
  竹細野池幽
  何処鶯啼切
  移時独未休
     <唐 杜甫>

  緑の山は興味が尽きず、
  ウキウキと心がはずむまま牛頭山へと上がっていく。
  気兼ねや邪魔は少しもなく、これこそまさに気ままな散策。
  花が色鮮やかに咲く中、お寺は静まり返り…。


秋の茶会のテーマを考えているうちにたまたま見かけた杜甫の詩。

あくまでも私見なんだけど、どちらかというとちょっと暗めな印象の
ものが多い杜甫の詩の中では、比較的穏やかな心で自然を詠ったもの。
そして「牛頭寺」と見て、思い出したのが「牛頭山雲緑」という緑茶。

杜甫の詩は、梓州(今の四川省)の牛頭山を登った時の詩だけど、
これは浙江省の牛頭山のお茶。

このお茶を早速飲まれた方の言葉をお借りすると、乾燥した茶葉は「抹茶の
ような香り」とのこと。
そう言われてクンクンしてみたら、確かにそんな印象も…。
味わいはさすがに抹茶のような濃厚さはないけど、香りと茶葉の形状から
どんな味わいなのか想像してみて下さい。
想像できない方は、どうぞロ・ヴーへ♪
9月と10月の2ヶ月間だけ、お飲みいただけます。

2013.07.12[金] 蜜桃香

鳳凰単欉:蜜桃香


「蜜桃(みつもも)」なんて、とても美味しそうな名前のお茶。
広東省が産地の「鳳凰単欉」という種類の青茶(烏龍茶の仲間)です。

時々、お茶とワインって本当に似ているなと思うことがあります。
福建省の青茶「岩茶」やこの鳳凰単欉を見ていると、特にそう感じます。

お茶もワインも、土壌や気候、畑の規模や傾斜、木の品種など様々な要因に
よって、香りや味わいだけでなく、色や口に含んだ時の印象が異なります。
ワインには、このような条件のことを「テロワール」や「ミクロクリマ」といった
カッコイイ表現があるようなのですが(ワインには詳しくないので違うかも
しれません)、中国茶のようなお茶には…どうなのでしょう。
私はそういうカッコイイ表現方法を知りません。(^^;

前置きが長くなりましたが、鳳凰単欉には、以前ここでも紹介した「杏仁香」
の他にも「桂花香」「蜜蘭香」「群體香」「夜来香」「黄枝香」「芝蘭香」など
香りの名前のついたものがたくさんあります。
同じように、岩茶にも香りの名前のついた種類のお茶がたくさんあって、
想像するだけでも楽しくなります。
産地が同じでも畑や作り手によって味も香りも違うのです。

お茶とワインで一番大きく違うと私が思う事は、ワインのボトルに張られている
エチケットと呼ばれる綺麗なラベル。お茶にはついていない!(笑)

そしてもう一つ。
ワインはボトルに詰められた時点で、人の口に入るまでの工程が概ね完成
だと思うので、グラスの形や温度によって若干の違いはあるものの、誰が
入れてもほぼ同じように美味しく楽しめます。

翻ってお茶は、確かに茶葉は完成品なのだけど、飲むまでにさらにお茶を
淹れるという工程が必要になってきます。
淹れ手によってお茶の濃さなどにバラツキが出てきて、時々残念なことが
起きてしまうことも…。

蜜桃香という名前の鳳凰単欉。
7月、と8月限定のお茶としてお飲みいただけます。
どんな香りと味わいなのか、想像してみて下さいね。

2013.05.26[日] 龍洞銀…。

龍洞銀じ


ここ数年、5月に市民茶会を担当させていただいている関係と、ロ・ヴーの
周年記念と、新茶のシーズンが重なって、今月のお茶のご紹介がすっかり
遅れ気味。(決して忘れているわけではないんです…)

5月のお茶を決めたらすぐに6月になってしまいそうな気配なので、6月末まで
同じお茶を「今月のお茶」とさせて頂くことにいたしました。


以前にも何度かご紹介したいと思っていた、雲南省の緑茶「龍洞銀じ」。
(「じ」は<幺+幺の下に「れっか・よつてん」>)
「じ」の文字が私のPCでは出てこないため何度も挫折をしていたのですが、
とても美味しいお茶なので、今回は頑張ってみました。
上記の説明で、どんな漢字がイメージできましたか?

雲南省に住む少数民族「イ族」のお茶のようですが、このお茶でプーアール茶を
作ったら、とても美味しいものができるのではないかという印象の、華やかな
香りと味わいの緑茶です。

講座でお飲みいただいた際に「アールグレイみたい」という方もあって、実際には
ベルガモットの香りを着香してあるアールグレイとはちょっと違うのだけど
それくらい清々しくて華やかな香りと味わいが楽しめるお茶なのです。

今日お飲みになられた方は「『めのう』のようなお茶ですね」と。
『めのう』と言われて、私の頭の中には「碧玉」というか、ちょとツルンとした
勾玉に使われるような緑色の石が浮かんだのですが、見た目の印象から
ザラザラした原石の層が重なりあうようなイメージだったのかな?
お聞きしたのに、何となく解ったような今ひとつ解らなかったような。(笑)

どんなメノウのことだったのか、もう少し詳しくお聞きしてみてもよかったかな、
と後になって思いました。

「アールグレイ」のようで、「めのう」のような、綺麗で魅力的な形容詞で表現
される雲南省の緑茶。
今回はあまり在庫がありません。数量限定なのでお早めにどうぞ。

2013.03.07[木] 狗牯脳茶

全国人民代表大会、略して全人代が始まりました。
中国なだけに人民大会堂でもお茶が飲まれます。国宴茶として、以前は
西湖龍井が使われていましたが、江沢民元国家主席の時代に江西省の
『得雨活茶』が使われるようになりました。

得雨活茶については、過去にこのブログの中でご紹介していますのでご興味
のある方はご覧になってみて下さい。
http://lovu08scenery.blog98.fc2.com/blog-entry-567.html

さてそんな3月のお茶は、同じ江西省のお茶『狗牯脳茶(Gou gu nao cha)』です。
日本語で「くこのうちゃ」と読んで下さい。

狗牯脳茶


江西省の狗牯脳山で生産されるため、この名前になったと言われていますが
漢字がどうも他の物をイメージしてしまっていけません。

「狗=犬」が頭から離れず、また「脳=頭の中身」となってしまうため
数年前、初めてお目にかかった時は「ど、どんな味なんだろう…」と。(笑)
「狗」は確かに犬のことなんだけど、コンピュータのことも「電脳」なんて言うから
日本語のイメージとは違って「脳」は普通に頭のことだ、と言われるんだけど。

実際の茶葉は、中国緑茶らしい、小さな芽の多い美しい形状のお茶で、色は
透明感のある緑色。飲むと、喉の奥に残るほのかな甘味があります。


「狗牯脳山は犬の頭のような形なので…」とジイヤ先生が講座の中で言って
いたので、思わず「チャウチャウ?チャウチャウ?」とリピートして聞いて
しまいました。

私の中では「中国犬=チャウチャウ犬」なんです。
日本でも随分昔に流行りましたよね?
そして今度は「狗牯脳山=チャウチャウ犬の頭」が思い浮かび…。
あくまでも犬。(笑)

この文章だと何やら怪しいお茶のように思うかもしれませんが、間違いなく
美味しくてとても珍しいお茶です。
安心して美味しく召し上がっていただけますので、3月中にぜひお試し下さい。
3月だけの限定です。

2013.02.07[木] 白淋工夫(金雪芽)

福建省の紅茶と言うと、正山小種(ラプサンスーチョン)を真っ先に思い
浮かべる人が多いかもしれませんが、三大工夫紅茶と言えば、政和工夫、
坦洋工夫、そしてこの白淋工夫の3つです。
そして、白淋工夫の高級茶と呼ばれるのが金色の雪の芽などという麗しい
名前の「金雪芽」。


白淋工夫(金雪芽)


先の金駿眉と比較すると若干ゴールデンチップは少ないものの、小さな茶芽で
作られた、金毫を多く含むとても美しい姿の紅茶です。

白淋という名前は福鼎市の白淋という産地名から来ています。
白淋の中国語読み「Bai Lin」と聞くと、何故か梅林が頭に浮かんできて
梅林の満開になるのはいつ頃かなぁ…と、相変わらずくだらないことを考えて
しまいます。(笑)


白淋工夫(金雪芽)


話をお茶に戻すと、このお茶の品種は白茶を作る「福鼎大白種」だと聞いて
います。その話を聞いてから飲んだせいか「(白茶の)白牡丹と同じ余韻を
感じる」とおっしゃった方がありました。そのお茶とこのお茶はロットが
違うのですが、確かに飲んだ後に戻ってくる印象が白茶のそれに似ている
ような気がします。
同じように新芽で作られた紅茶でも金駿眉とはあきらかに余韻が違う。

白淋(Bai Lin)の梅と金雪芽(jin xue ya)の雪。
何となく今の季節にピッタリなお茶だと思って、2月のスペシャルティーに。

2月はもともと短い月なのですが、冬と春の入れ替わりのほんの短い季節を
目で鼻で、そして五感で感じられそうです。

2012.12.07[金] ブーケのような

鳳凰単欉:杏仁香01


今年1年の締めくくり、12月のお茶は、鳳凰単欉(ウートン山)の杏仁香に
致しました。
今年も色々な種類のお茶を飲んできましたが、その中でも3本の指に入る
私のお気に入りのお茶。

鳳凰単欉には、蜜蘭香をはじめ、桂花香、芝蘭香、玉蘭香、黄枝香、蜜桃香、
肉桂香、群體香など様々な種類があって、そのほとんどを飲んだことがあるの
だけど、杏仁香は初体験♪

最初に茶葉を見た瞬間に「多分美味しいんだろうな」と思っていたのだけど
「杏仁香」の香りのイメージがつかなくて「どんな香りのお茶なんだろう?」
と期待しながら試飲したのでした。

鳳凰単欉:杏仁香02

この二つのお茶、一つは雪片でもう一つが杏仁香。
同じ単欉でも茶葉の形状に随分違いがあります。どっちがどっちか解りますか?


所謂「単欉」の味を思い出しながら、香りだけは「杏仁=杏仁豆腐?」とか
「杏仁=アーモンド?」系の香りを想像していたのですが、良い意味で予想
を大きく裏切ってくれました。

杏の花の香り?から来ているのでしょうか。
ひとくち口に含んだ瞬間「あ、花だ」と。
中国茶の香りの形容で「ランの花の香り」のような表現をするのですが
花は花でも、単体の香りではなくて、とても複雑で深みのある…、そう
例えるなら「ブーケ」のような香りなのです。

ライラックやフリージア、いろいろな花で作られたブーケを両手で胸に
抱えているような、そんな気持ちにさせてくれるのです。
ウートン山のお茶だけあって、透明感のある味わいで、煎がきくので5煎
飲んでもまだ口の中に甘い余韻が広がります。

と、ここまで書いて味や香りの表現って難しいなぁ、と思ってしまいました。
ワインや紅茶(にもあると聞きました)のように、統一された表現の文言が
あれば、中国茶の説明ももっと便利になるのにね。
そう、これはあくまでも私が感じた印象なので、あとは皆様がどう感じ
どう表現されるのかは実際にお試し頂くほかありません。

五感の全てを動員して、じっくりと味わっていただきたいお茶です。

2012.11.02[金] 紫陽毛尖

9月、10月とドタバタしているうちに、気が付けば11月。
ようやく「今月のお茶」の復活です。

紫陽毛尖


9月に西安に行く際、絶対に手に入れて来るぞと固く心に誓ったお茶
陝西省の緑茶『紫陽毛尖』が今月のお茶。

思えば2006年『中国茶アドバイザー/インストラクター』の研修機関として
登録した時、このお茶を入手するのにここまで苦労するとは思いもしません
でした。飲むお茶の課題としてカリキュラムに組み込まれていたにも関わらず
手配することが困難で、どなたか他に手配できた方があればそちらから分けて
頂こうと日本事務局に相談したのですが、結局最後まで手配できず…。
翌年からはカリキュラムからはずされた、思い出深いお茶なのです。

陸羽の茶経にもあるように「茶は南方の嘉木」のため、陝西省は浙江省や
福建省などと比べると茶の名産地とは言い難く、生産されているお茶の種類も
さほど多くありません。

そんな理由で「このお茶を手に入れるまでは日本に帰らないぞ」と言うのは
オーバーにしても、何が何でも…と思っていたのでした。

紫陽毛尖は、陝西省でも西安の南、紫陽県という場所が産地のお茶。
毛尖という名前だけあって、形状は貴州省の都匀毛尖などと似ています。
中国茶の名前は、漢字ばかりで難しいとおっしゃる方も多いのですが、
実はこの漢字の中にヒントがいっぱい。
産地の名前や茶葉の形状、香りの傾向などから名前が付けられているものが
たくさんあります。
漢字の羅列を眺めながら、お茶の産地や形状、香りなどを想像してみるのも
クイズみたいで楽しいと思うのです。

お茶の香りや味わいなどを今ここに書いてしまうと、先入観がインプットされて
しまうと思うので、あえてインフォメーションは無しで。

思いがけず紫陽紅茶も入手することができたので、12月は紅茶の方をご用意
することにしようかとただ今検討中。

思い出の紫陽毛尖、ぜひ11月のうちにどうぞ。

2012.08.04[土] 瑞雲祥龍

暑い暑いと言いながら、気が付けばあっという間に8月。
7日の火曜日には、もう立秋を迎えようとしています…が、アツイ。(^^;

あまりの暑さに気持ちも萎え気味なので、せめて名前だけでも元気が
出るようなお茶を。
8月のお茶は「瑞雲祥龍」という福建省の緑茶をご用意いたしました。


瑞雲祥龍


福建省と言えば、北の武夷岩茶と南の安渓鉄観音が双璧をなす青茶が
有名なのですが、シルバーニードル(白毫銀針)と呼ばれる白茶も
福建省が産地です。
福建省には、青茶の他にも白茶やジャスミン茶などの花茶や緑茶も
作られているのです。


お茶名の瑞雲とはおめでたいことの前兆として現れる雲のこと。そして
祥龍は吉祥の龍。

香りはほんのり芳ばしく、口に含むと甘味が広がります。日本茶にも
負けないようなしっかりとした味わいがあり、以前講座で飲んだことの
ある貴州省の「黎平香茶」という緑茶にも似た印象。

月替わりのお茶ではありますが、9月が超ハードスケジュール(笑)なため
8月9月のお茶としてお楽しみ頂ける予定です。

幸せな人にも、幸せになりたい人にもおすすめ♪
プロフィール

ロ・ヴー

Author:ロ・ヴー
<ロ・ヴーの風景>
中国茶や日々の出来事、旅の思い出などを綴っています

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