SCENERY

その壁がなくなれば、世界がもっと広がります 

2017.06.27[火] 鞦韆(しゅうせん)

 春夜

  春宵一刻値千金
  花有清香月有陰
  歌管楼台声細細
  鞦韆院落夜沈沈

       <宋:蘇軾>


清明上河図
<Photo by Makoto. K>


『鞦韆』とはブランコのこと。
古くは「ふらここ」とも言ったそうです。


昔、ブランコは、中国では女の子の遊具でした。
『寒食』の頃、宮廷では女官がが鞦韆で遊ぶという行事がありました。
鞦韆を漕ぐその翻った衣装の裾から、チラリと見える足を
皇帝が気に入ったなら、夜、お声がかかる可能性がある。
そんな艶めかしい謂われのある遊び道具だったのだとか。


 -春の夜はほんのひとときでも千金に値するほど素晴らしい。
  中庭にはひっそりとブランコがぶらさがり、夜が静かに更けていく。-


蘇軾が詠うように、ブランコは春。
もしかして『清明上河図』の中にも鞦韆があるのでは?
とジイヤ先生が言うので、探してみました。


清明上河図


ジイヤ先生の言うとおり、鞦韆は、ちゃんとありました。

お茶会のためにあれこれと調べていると
いつも新しい発見があります。


ブランコも、お茶と同じように、中国から日本に伝わってきました。

日本の文献では、平安時代、嵯峨上皇の「鞦韆篇」で、はじめで鞦韆が
登場するようです。


 幽閉人、粧梳早、正是寒食節、共憐鞦韆好、長縄高懸芳枝。

 - (冬の寒さに)閉じ込められていた人々よ、
     朝早くから化粧をし髪を梳いて、
     今この寒食節の日に、共に鞦韆(ぶらんこ)を楽しもう-  


何かを調べるというのは、なかなかの重労働ではあるけど
知らなかった世界の扉を開けて、新しい世界が広がるような
そんな気持ちになります。

次回は秋のウサギ茶会。
どんな世界が待っているのかな。

By. サ
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2017.06.05[月] お茶会のテーマ『清香』

4月、5月は新茶の季節ということもあり、年度の初めでもあり
両手にあれやこれやと荷物を抱えて、全力でマラソンをしていた
ような2ヶ月でした。

雨の季節の前に、ようやくヤレヤレ。
そんなわけで、お茶会の続きです。



さつき市民茶会
<Photo by Makoto. K>

白鳥庭園のお茶会は、そのほとんどがお抹茶の茶会ですが
毎年、毎回、どの席も、茶の湯の茶席のテーマはほぼ固定です。
最初の頃はあまり良く解っていなかったので、中国茶席は毎回
テーマを変えていました。

ある時、中国茶の席だけテーマが変わると、もしかしたらチラシの
作成が遅れたり、安定せず落ち着かないと思われるかな?と心配になり、
ここ3年ほどは、同じようなテーマとお菓子にするようにしていました。
(まあ、その方が自分たちも楽ですしね)

ところが、今回、打ち合わせの時、所長から「中国茶席にいらっしゃる
お客様は、先生のお話も楽しみにいらっしゃる方が多いみたい
ですので、毎回違っても良いというか、違う方が喜ばれると思います」
といきなりハードルを上げられました。

えーっ!
日本茶は、いつも毎回同じなのに~。
とも言っていられません。


いろいろ考えて、今回の茶席のタイトルを『清香』としました。
中国茶の、瑞々しく清らかで、それでいて豊かな香りがイメージです。


 春夜

  春宵一刻値千金
  花有清香月有陰
  歌管楼台声細細
  鞦韆院落夜沈沈

       <宋:蘇軾>


 お茶会ネタ、続きます。

By サ
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2017.05.07[日] 唐衣(からころも)

藤の花
<Photo by Makoto. K>



むかし、男ありけり。


から衣 きつつなれにし つましあれば
     はるばるきぬる たびをしぞ思ふ


三河国八橋の辺りで杜若が美しく咲き誇るのを見て
「カキツバタ」の五文字を句の頭に置いて旅の心を詠んだ。
都に残してきた妻を思い、しみじみと詠まれたその句を聞いて
人々はみな涙した、という、伊勢物語『東下り』の一節。


今回のさつき茶会に選んだお菓子は、この「唐衣」と名付けられた和菓子。
カキツバタをかたどったお菓子が、なぜ「唐衣」なのか。
このお菓子を初めて作ったのは、誰なんだろう?
詠むほどに、言葉の粋を感じます。



唐衣



さつき市民茶会は、白鳥庭園さんが主催なだけに、出入りの業者さんに
お菓子をお願いするのも大切なおつとめです。
毎回、中国茶に合わせるために頭を悩ませるのですが、
今回は、何が何でも「唐衣」を作ってもらうよう交渉して下さいと
所長さんにも、重々お願いをしました。(笑)


お茶会が終わって、今では大学生と高校生になった甥と姪が
「お茶会のお菓子は何だったの?」と訪ねてきたので
「『唐衣』という名前のお菓子でね、伊勢物語に関係があるんだよ」
と教えてあげたら、高校生姪が「あ、それ今、学校でやってる!
『むかし、男ありけり』って言うんだよね!」と。


お茶会のお道具やしつらいのひとつが、友人や家族との
小さな会話のきっかけになると嬉しいな、と思います。

 むかし、男ありけり

伊勢物語の続きは、現役高校生に教えてもらいながら思い出すとして
しばらくは、ブログの方はお茶会の話におつきあいください。

By サ

Special Thanks:  ATOMAさん いつも綺麗な写真をありがとう!
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2017.03.21[火] 『さつき市民茶会2017』のお知らせ

さつき茶会
<2016年のさつき茶会>


今年もまた、白鳥庭園での中国茶会の季節がやってきました。
『さつき市民茶会』の茶席を、5月3日に担当させて頂くことが決まりました。

青もみじの美しい新緑の季節、風薫る5月の休日。
緑の庭園の幽玄な時の流れの中で、中国茶をお楽しみいただけます。
ゴールデンウィークの予定がまだ未定の方は、ぜひ中国茶会にお運びください♪


 <さつき市民茶会のご案内>
  ●日時: 5月3日(祝) 10:00~15:30 (最終茶席 15:30~)
  ●会場: 白鳥庭園 清羽亭 立礼席
  ●定員: 1席20名程度の入れ替え制(1席約20分)
  ●料金: 1席500円(消費税込み)

※白鳥庭園の入園料が別途必要となります。
 「ドニチエコきっぷ」「一日乗車券」を利用しての来園は、大人300円→240円
 名古屋市在住65歳以上の方は100円(要敬老手帳など)

 ●呈茶券、入園券の事前予約を受付いたしております。
  詳しくはロ・ヴーまでご連絡下さい。
 

皆さまのご来場、お待ちしております♪


By サ
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2017.02.20[月] 春待ち

東海桜


『ふるまいの茶事』も上級クラスになると、テーマを決めて、簡単なしつらえとそれに纏わるお話をしてもらいます。
今月のテーマは『春待ち』。

まだまだ寒い日が続きますが、
それでも日射しは確実に春のそれに変わりつつあります。
そんな季節の装いを、それぞれ思い思いのイメージを膨らませて茶席を作ります。

講座では、基本的な道具はこちらで用意しますが、受講生さんもテーマに合わせて何か一つ用意します。
「ふるまうために心をつくす」
こういうことの積み重ねが、自分自身のお茶会のためになると思うのです。

テーマがあって、イメージを膨らませ、それについて調べてお話する。
後は、美味しいお茶とわずかなお菓子があれば、楽しい時間の始まりです。


帰り道、お花屋さんで偶然見つけた東海桜。
桜の前線はまだまだだけど、一足早い春を家に連れて帰りました。

私の春待ちは、早咲きの桜。
心は「春よ来い!」

皆さんの春待ちは、どんな景色なのでしょうか。

By サ
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2017.01.28[土] 新年快楽

辻占
<辻占:中におみくじが入っていて今年一年を占います>


旧暦のお正月。
春節の到来です。アジアの諸国は大連休です。

日本では旧正月と言いますが、以前は日本でも旧暦を使っていたので旧正月を祝っていました。
その後、太陽暦を使うこことなり、現在の元旦に正月を祝うようになりました。

旧暦を使っているアジアの人々にとって、とても大切な祝日。
春節という文字通り、春の訪れを祝うお祝いのイベントが各地で開催されます。

まだ、寒い日があったり、雪が降ったりする日もあったりと、春と言えども厳しい天気の日もある時期です。
それでも、ほっとするような、暖かくなる日もあり、すぐそこまで春は来ていると感じられる各地です。

樹木もいよいよ、芽吹きの準備が始まります。
「陰陽五行」の世界、一年の始まりです。

自然界のあらゆるものを陰(いん)と陽(よう)に分けるという考えがあります。
五行の考え方は自然界は木(もく)、火(か)、土(ど)、金(ごん)、水(すい)の5つの要素で成り立っているというものです。

五行の行という字には「巡る」とかという意味があります。
5つの要素が巡ることによって万物が生成され自然界が構成されていると考えられています。

正に、春節の時期が五行の木(もく)の時期にあてはまるのです。
木々が成長発育する様子を指します。
この木(もく)は春の象徴です。
お茶の樹も春の陽気でいよいよ、新芽の準備に入ります。
陽気、あふれる時期になると、待ちに待った新茶の季節となります。

お茶も薬膳の世界。

ぐるり回って一年、木(もく)が来ました。春節、春の到来です。
いよいよ、春の訪れ。待ちに待った春です。

By J

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ロ・ヴー

Author:ロ・ヴー
<ロ・ヴーの風景>
中国茶や日々の出来事、旅の思い出などを綴っています

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